【文法】スウェーデン語の後置定冠詞

スウェーデン語では確定名詞の語尾に後置定冠詞を付ける。ここまでは他の二つの北欧ゲルマン語であるデンマーク語やノルウェー語と別段変わったところはない。
ところが、この確定名詞の前に限定形容詞が付加されると、大きな差が生じる。

1) デンマーク語:
a) 形容詞の前に形容冠詞を付加し、逆に後置定冠詞を取り去る。これを解り易く示すために便宜上下記のような英語での直訳を試みる:
boken ⇒ gode boken ⇒ den gode bok
book-the ⇒ good(e) book-the ⇒ that good(e) bok

2) ノルウェー語:
a) 形容詞の前に形容冠詞を付加し、逆に後置定冠詞を取り去る。
これはデンマーク語の場合と同じということになる。
boken ⇒ gode boken ⇒ den gode bok
book-the ⇒ good(e) book-the ⇒ that good(e) bok

ところが、この手法は当該表現に文語的雰囲気を与えることになる。実はもう一つの手法があるのだ。
b) 後置定冠詞をそのまま残して置く。つまり、文語的雰囲気を与えないということを言っているような物だ。言葉を翻せば口語的雰囲気を与えるということである。
boken ⇒ gode boken ⇒ den gode boken
book-the ⇒ good(e) book-the ⇒ that good(e) bok-the

3) スウェーデン語:
b) 後置定冠詞をそのまま残して置く。以上のことから、何とスウェーデン語はデンマーク語やノルウェー語から見ると口語的響きがあると見られていることになる。
boken ⇒ goda boken ⇒ den goda boken
book-the ⇒ good(e) book-the ⇒ that good(e) bok-the

(e)は後置前置が付加された時のみ現れる。このような形の形容詞は「弱形」と呼ばれ、(e)のない形容詞を「強形」と呼ぶ。形容詞の前と名詞の後の両方に確定的雰囲気の要素が重々しく付く訳だから、その中間部分は「優しい」雰囲気にしたいのは理解できる。息継ぎの手段だとでも思っていれば良い。